ターポリン生地とは?特徴と用途や場所別の選び方

ターポリンとは

ターポリンとは、化学繊維でできた布の両面に、塩化ビニールの樹脂でコーティングした生地のことを指します。
布生地のトロマットと比べてビニール生地のターポリンは、横断幕や懸垂幕として使用した際に耐久性が高く丈夫で、印刷をしたときの発色がよいことが特徴です。
また、汚れに強くお手入れが簡単なのも特徴でしょう。
ターポリン生地の主な素材は、ポリエステルと合成樹脂です。
ターポリンのルーツは、英語の「tarpaulin(防水布)」で帆布にタールを塗りこんで船の防水シートとして使われたことが発祥といわれています。
ターポリンは耐久性と耐水性の観点から屋外で利用されることが多い素材です。
建築現場や工事の養生シート、アウトドア用のグッズやバッグ、学校やスポーツチームを応援するための横断幕、商業施設などで吊るして使うための懸垂幕、店舗で看板がわりの幕などに使われています。また、ターポリン生地は防炎加工を施されていることも多いため、ガソリンスタンドや飲食店などでも使用可能です。
ターポリンのデメリットは、布生地に比べて生地が重くなるという点です。弊社で取り扱うターポリン生地は、重さが380g/㎡あるため大きなサイズになると重量が増し、持ち運びに不便な場合があります。
そのため、頻繁に持ち運ぶ幕ではなく長期間掲示しておく用途で使うのがおすすめです。
ターポリンの特徴と選ばれる理由

屋外用の幕を作る際にターポリンが選ばれる理由は、ターポリンが持つ様々な特徴が屋外設置に活かされるからです。
ターポリン生地の代表的な特徴は耐久性です。
塩化ビニール素材が水をはじきやすいため耐水性があり、雨風や土埃などが起こる屋外設置におすすめです。
ターポリンは強度が高いことも特徴です。弊社で取り扱うターポリンは厚みが約0.33mmあります。
しっかりと織られており、きちんと加工すれば端のほつれなどの心配はあまり必要ありません。
ターポリン生地に印刷した時にインクの発色がよいことも特徴です。
飲食店のメニューやスポーツチームのロゴなど写真やイラストを使用したデザインで幕を作成したい場合はターポリンがおすすめです。通常のターポリン生地もやや光沢があり発色もよいのですが、より視認性をよくしたい場合は光沢のあるグロスターポリンがよく選ばれています。
ターポリンの布地は水をはじくため雨などの汚れや染みがつきにくいことも特徴です。
お手入れの際はやわらかい濡れ布でやさしく拭き取ってください。
使用用途・設置場所によるターポリン生地の選び方
ターポリンといっても加工の仕方や布の厚みなどにより、いくつか種類があります。
用途や設置場所に合ったターポリン生地を使用することで、それぞれの特徴を生かした掲示がしやすくなります。今回は、ターポリン生地それぞれの特徴や設置場所、制作事例をご紹介します。
商業施設・屋外での長期掲示は定番の【ターポリン】

屋外スポーツの応援用横断幕、デパートや学校・役所の壁に吊るす懸垂幕、店頭での日光を遮る日除け幕、看板がわりに使う店頭幕などさまざまです。
耐用年数は設置場所にも左右されますが約半年~2年です。
飲食系のイベントやガソリンスタンド、地下街などでも使用できるよう防炎加工が施されている場合が多いです。弊社のターポリン生地は全て防炎加工になっています。
発色のよさとツヤがあり、布生地と比較すると色褪せしにくいため約3~5年使用することができます。
直射日光や強風が気になる場所には【メッシュターポリン】

風通しのよさが最大のメリットで、現場高所に設置しても強風で煽られにくいです。
防炎加工が施されているためビルの屋上から吊るすような懸垂幕や公共施設・ショッピングモールなどへの設置にもおすすめです。
また、ツヤのないマットな質感で、直射日光による反射やテカリが抑えられ、見栄えがよいのも特徴です。
飲食店など写真映えを重視したいなら【グロスターポリン】

光沢はあるけどテカリは抑えられている生地です。
発色が鮮やかで、視認性にすぐれているのが最大の特徴で、写真を印刷するのならばグロスターポリンがよいでしょう。
防炎加工がされているため安全性にもすぐれており、料理の写真を使用する飲食店や飲食イベントなどでの看板用の横断幕や、人物の写真を使用したタペストリーなどデザイン性の高い用途に使われます。
日差しの強い玄関や窓際での広告には【遮光ターポリン】

光を通さない「遮光性」が高いのが最大の特徴です。
日光が当たりやすい場所での設置に最適で、屋外でのカーテンや物資のカバーとして使用されています。
ツヤがあり、両面印刷できる利点を生かして、飲食店で営業内容に応じて使い分ける日除けのれんなどにも使われます。
ターポリンのお手入れ方法
ターポリンは汚れに強いですが、定期的なお手入れをすればより長く使用することができます。
汚れた場合には、やわらかい濡れ布でやさしく拭き取ってください。
スポンジなどで強くこすると印刷にキズがついたり、剥がれたりするので注意が必要です。
使用しないときはプリント面を内側に丸めて、冷暗所で保管するようにしましょう。
一般的なターポリンは折り曲げるとインクが剥がれてしまうため折り畳んでの保管は避けましょう。
このように、ひとえにターポリンといえども、加工の仕方によってさまざまな特徴や種類があります。
他の布と比べて魅力的な特徴がたくさんあるターポリン。
気候や用途によって最適なターポリンを使用するようにしましょう。