横断幕を手作りしてみよう

横断幕を手作りしてみよう

横断幕は、部活動やスポーツの応援をはじめ、イベントやお店の装飾などさまざまな場面で活用されています。業者に依頼して制作されることも多いですが、布や道具を自分で用意して、1から手作りで作ることもできます。

今回は、横断幕を手作りしたい場合に必要な道具や作り方の手順、布の種類などについてご紹介します。

横断幕を手作りするために準備が必要なもの

横断幕を手作りするには、さまざまな道具が必要になります。ホームセンターや手芸店、100円均一ショップなどで材料は揃うので、予算や欲しいものに合わせてお店を使い分けて回りましょう。 横断幕の手作りに必要なものは主に以下の通りです。

必要なもの
  • ベースとなる布や生地
  • ミシンや熱接着両面テープ
  • ハトメを作る穴あけパンチとハトメ
  • デザインを転写する型紙
  • チャコペーパー
  • マスキングテープ
  • 絵の具(アクリルガッシュなど)と筆
  • 水性スプレーやペンキなどの塗料
  • その他(新聞紙やカッター、コピー用紙など)

※他で代用できる場合や、作り方によって不要になる道具もあります。

横断幕は布選びが大事

横断幕を手作りする際、ベースとなる布や生地に何を選ぶかが重要です。耐水性や耐久性があるビニール性のものからポリエステル製のもの、厚手の布などさまざまありますが、「長い期間使いたい」「屋外で使いたい」など用途や目的によって適した生地は異なります。横断幕によく使われる生地をいくつか紹介します。

手芸店などで一般的に手に入る生地

・オックスフォード

縦と横に2本ずつの糸で揃えて平織りにした布生地で、ビジネス用のシャツ等によく使用されています。厚手で太めの糸を使用しており、丈夫です。

業者でよく取り扱っている生地
トロマット

・トロマット

ポリエステル性の厚手の布生地で、安価で軽いのが特徴です。しなやかなので折って持ち運ぶこともできます。

ターポリン

・ターポリン

ビニール性の生地で、耐久性や耐水性があり屋外の使用にも向いています。表面に光沢があり発色もきれいです。

なお、自分で手作りする場合は仕上がりの想定サイズより少し大きめに布を用意しておきましょう。これは補強の加工などを行うために折り返す必要があるためです。

横断幕を手作りする手順

布選びや道具の調達ができたら、いよいよ制作に入りましょう。
ここでは、横断幕を手作りする手順を解説していきます。

STEP1. 横断幕に載せるデザインを考える

はじめに、横断幕のデザインを考えましょう。最終的な見た目に影響する要素なので、この工程は大切です。いきなり布にデザインを描いてくのではなく、パソコンやA4用紙などにラフイメージやアイデアを書き出し、一度紙やPowerPointなどで完成のイメージを作っておきましょう。

参考のデザインなども見ながら、パソコンのソフトやA4用紙などにラフイメージやアイデアを書き、デザインを決めていく。

作ったデザインを型紙にしてチャコペーパーなどで横断幕に転写する場合は、コピー機などで実寸サイズにデザインを印刷しておきましょう。文字などであれば1文字1文字分けて印刷しても良いですし、1つのデザインを何等分化にして印刷してつなぎ合わせる方法もあります。

実際に横断幕に転写するサイズになるように、家庭のプリンターなどを使って印刷する。

STEP2. 布の加工をして下準備をする

調達した布はそのまま使うこともできますが、強度を強くするため、ほつれ防止などの加工を行いましょう。布を内側に折り込み(大体の3cmほど)折り目をミシンで縫います。ミシンがない場合は、アイロンの熱で接着するタイプの接着剤(熱接着両面テープ)を使用しましょう。

手縫いの場合、サイズによっては時間がかかりすぎてしまったり、強度が十分ではなかったりするのでおすすめはできません。

布の加工をして下準備をする

STEP3. デザインを生地に転写する

STEP1で作成したデザインを生地に転写していきましょう。チャコペーパーを布の上に置き、印刷しておいた型紙をその上に重ねます。チャコペーパーとは、手芸などをするときに用いる、布に下書きをするための紙です。領収書などで複写できるようになっている用紙なども同じ原理です。

一番上に置いた型紙をペンなどでなぞることで、チャコペーパーを通して下に敷いている布になぞった通りの色がつき、デザインが転写できます。

チャコペーパーと印刷しておいた型紙を重ねて記事の上に置きなぞって生地にアタリをつけていく。

STEP4. 絵具や塗料などで色を塗ってデザインを完成させる

デザインが転写し終わったら、実際に絵具や塗料を使って色を塗っていきましょう。色の塗り方は使用する道具にもよるので、使い方などはよく確認しておきましょう。

この時、マスキングテープなどを使えば色がはみ出してしまうのを防ぎ、綺麗に色を塗ることができます。先ほど転写したデザインの線に沿って、今塗りたい色がはみ出してほしくない場所や、色を塗りたくない場所が隠れるように先にマスキングテープを貼っておきます。こうすることで、はみ出すように塗っても後からマスキングテープをはがせば色と色の境界線が綺麗に仕上がります。

マスキングテープで色がはみ出さないように囲い、中を絵の具などで塗っていく。

色を塗る時の注意点!
アクリルガッシュなど絵の具を使う場合は、水の調整に注意し、裏面にしみ込んだりムラができたりしないように塗っていきましょう。スプレーを使う場合も、ムラになりやすいため注意が必要です。スプレーは噴射位置や範囲によってマスキングテープからはみ出しやすくなるので、テープの貼り方なども気を付けておきましょう。

STEP5. 紐やハトメを通しましょう。

デザインが完成したら、必要に応じて紐を通すハトメを付けましょう。ハトメとは、横断幕の上下左右の辺などにつけられる穴のことで、布に穴をあけた後に金具で補強します。ハトメパンチと呼ばれる道具等を使用して取り付けていきましょう。場合によっては横断幕の重量に耐え切れず、ハトメが取れたりハトメ部分から破れたりする可能性もあるので、合皮などを使って補強するなどの工夫をしましょう。

横断幕を手作りをする際の注意点

横断幕の手作りは、自分一人や仲間と一緒に一つのものを作り上げることになります。業者に依頼するのに比べ、完璧な仕上がりのものを作るのは難しく、ミスしてしまうこともあります。最後に、手作りにおいて注意したいことをご紹介します。

仕上がりのサイズと使用する場所を意識する

横断幕を広いところで使う場合や屋外で使う場合などは、最終的に仕上がるサイズが使用したい環境に適しているか、そのサイズにデザインの配置は合っているかなどの点に注意しましょう。サイズやデザインの配置が小さいとデザインが見えづらくなったり、大きすぎて設置が難しくなってしまったりと、サイズを見誤るとトラブルにつながる可能性があります。

事前に使用する場所でどのようなサイズ感の幕を設置したいか、イメージを明確にしておきましょう。

素材をしっかりと選ぶ

先にも述べたように、横断幕に使われる生地や手作りするための道具にはさまざまな種類があります。安ければいいと思って安い布や道具で横断幕を作ってしまうと、布が破れたり、塗料が剥がれたりといった問題が起きてしまう可能性があります。使用する期間や環境をもとに、必要と思われる耐久性を考慮して材料を選びましょう。